演奏会感想の部屋

 

 

     全国大会感想の前書き


 あー、すいません。まず言い訳から始めます。
 全国大会、一般の部はすべて聴く事ができました。

 しかし、聴いてから感想を書くまでに
かなり躊躇してしまいました。

 私が「良い!」と思った演奏は問題無いのです。
 しかし、そうじゃない団体の感想をどう書こうか、という問題があって。

 何回も書いていますが、何年も歌わなくなり、
家でも合唱のCDを聴くことが少なくなった私には
「一般の合唱人」とは
だいぶ感覚が離れてしまったような気がするんです。

 たとえば「技術が高度な(だけの)演奏」。
 や、高度な技術に対しては尊敬しますし、
凄いなあ、と素直に思いますが、
他の要素があまり無いと、
その高い技術でいったい何を伝えたいのか、
と疑問に思ってしまうのですね。
 そういう団体については、
あまり書かないほうが良いのでは、と。

 そして、「発声の純度」。
 合唱団としての統一された響き、というものを
指向していない演奏はもともと苦手だったのですが、
このところその傾向がますます顕著になってきました。
 一般の混声合唱団に多いのですが、
幅広い年代層の合唱団からは、
残念ながら私は「音楽」を聴くのが困難になりつつあります。
 「声」という楽器の音を認識する前に、
ノイズを先に感じてしまうのですね。
 (もちろん世代間が広い合唱団の存在を否定するものではありません)

 それに関連して、ピアノと合唱、という定番の組み合わせにも
今まで違和感を感じることが多かったのですが、
それが決定的になってしまった全国大会でもありました。

 正直に言って、ピアノという楽器の音色が、
私は「声に合う」、とはどうしても思えないのですよ。
 もともと、私がピアノという楽器を聴くのが苦手なせいもあります。
 しかしそれだけではなく、
「合唱」という楽器に、たとえば鈴木輝昭先生の作品のように、
対抗するような作品ならまだしも、寄り添うような作品は
その音楽の目指すところの実現は、
コンクールという場ではかなり難しいんじゃないか。

 特に今回の「りゅーとぴあ」というホールは、
聴く分には素晴らしいホールでしたが、
演奏する側は同じステージに立つ他の人の声が
 「ほとんど聞こえない!」特性のホールだと
多くの人から聞きました。
 そういう場所で、ピアノという楽器と「対抗」ではなく、
音量や音色を「合わせる」事は非常に困難だと思います。
 一般Bの大型合唱団ではピアノと合唱という組み合わせでも
それほど違和感を感じなかったのですが、
そういう合唱団は、合唱そのものの音色や音量が
割合アバウトだったような。
 それゆえ、「ピアノと合う、合わない」には
あまり私は意識が向かなかったのかも。

 一般AB併せて全29団体中、
ピアノを使った団体が6団体。(A2、B4)
 残りの23団体中、
 打楽器を使った団体は3団体。(A2、B1)

 ・・・これはなかなか面白い傾向だと思います。


 そして、最初の
「技術が高度な(だけの)演奏」に関連して。
 ここ数年「学生合唱団の演奏」にあまり面白みを
感じられなくなった自分がいます。
 高い技術の合唱団に「上手いなあー」とは思うのですが、
「良いなあー」と思うことが少なくなってしまった。これは残念です。
 いつかこの気持ちが変わることを自分でも望んでいます。

 同様に、ある種の一般合唱団の演奏にも、
似たような感想を抱く事が多くなってしまいました。

 喩えて言えば。
 指圧をするとき、多くの「ツボ」がありますよね?
 ひとつのツボしか知らない人が、懸命に、そのひとつだけを押している。
 その力は強く、深いけれども、
 「ツボをそれしか知らない」のと
 「知っている無数のツボの中、ひとつだけを押す」のとは
明らかに違いますよね?

 私が現在住んでいる、ここ倉敷も地方都市ですが、
2005年も合唱以外の名演奏をいくつか聴く事ができました。
 思うんですよ。
 「ベルギー王立歌劇場管弦楽団」のように、
それぞれの楽器の良さを、それぞれ主役のように輝かせられるように、
合唱はアルトを、テナーを、ベースをそれぞれ輝かせられるか?
 ソプラノばっかりスポットライトを浴びているんじゃないか?
 あのオーケストラのピアニッシモの美しさに
合唱は対抗できるか?
 歌、歌、って言ってるけど「ミッシャ・マイスキー」のチェロに敵う
合唱団の「歌」はどれほど存在するのだろう?

 敵を作り、批判を覚悟の上の発言ですが。
 歌自慢、声自慢が集まって演奏する、
 「合唱しか聴かない」ような指揮者、歌い手の合唱団の演奏、
つまり「ひとつのツボしか知らない」演奏には、
どんなに高度な技術を持っていたとしても、
聴いていて私は疲労感だけが溜まってしまうのです。

 もちろん、私だってツボをたくさん知ってるとは到底言えません。
 しかし、そんな私でも聴いていて
「それしか知らないんじゃないかなあ」という印象の演奏が
この日本すべて、アマチュアトップレベルのはずの
全国大会という場で多いのはなぜなんだろう・・・?


 以上、言い訳、というか戯言を長々と先に書かせていただきました。
 しかし、それでも私が「合唱って、いいなあー!」と思った団体について
少しづつ感想を書かせていただきます。
 
 (一般Bの団体については感想を書き記すのが難しかったので
  2005年度は残さないことにしました。
  申し訳ありません)


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