演奏会感想の部屋

 

 
  
    プロムジカ女声合唱団日本公演 

    7月21日(木) 19:00〜(賛助の3団体は18:30から)
    大阪:いずみホール


 この日、大阪へ行く別の用がたまたまあり、
それでも夕方には戻らねばならないため、聴けないはずだったのだが、
突然休める事になり急遽、前日にチケットセンターへ予約の電話!

 「今でしたら予約券の空きが1枚だけございます」
 「そっ、それください!」
 「一番前の席ですがよろしいでしょうか?」
 「・・・・」

 そういや過去にも一番前で演奏会を聴いたことが一回だけあった。
 およそ5年前愛知での、エストニアから来た
エレルヘイン少女合唱団公演だったが。
 「当日券1枚ください」とチケット売り場で今まさに頼んだ私に、
通りがかった見知らぬ親切なおねーさまが
「あげるわ、コレ」と突然渡してくれたチケット。
 それが1番前の中央席だったのですね。

 エレルヘインは、えーと、なんつーか、
この年代の少女の魅力を
「分かりやすく」見せる演出が多い合唱団で。例えば
「…顔で選んだろ?」というフリフリドレスの美少女に
パラソルを回させながら、マイクで舌足らずのソロを歌わせる、とか。
 ・・・最前列で聴いているイイ年のおっさんには
なかなかツライものがございました。
 や。良い合唱団でしたよ。可愛かったですし。(← ・・・やはり・・・)
 日本の少女合唱団の演奏会って行った事無いのですけど、
この点、演出とか見せ方とかどうなんでしょうね?

 そんで今回も最前列、かなり左寄りの席。
 10代後半が多いような女声合唱団。やっぱり私はこういう運命なんですか?
 次に来日する若めの女声合唱団公演へ行ったら
また最前列の席を取ってしまうのではないかと少し不安です。


 人数は40人ほど。指揮はデーネッシュ・サボー氏。

 さて、所沢での演奏会以来、3年ぶりに聴くプロムジカ。
 実はあれからCDもほとんど聴かなくなり、
プロムジカの音楽に触れるのはすごくすごく久しぶり。

 いつもどおり、ステージ中央で誰もいない空間に指揮をするサボー氏。
 最前列なので、上手と下手から出番を待つ、
プロムジカの面々が見られて新鮮(笑)。


 ・・・久しぶりに聴くプロムジカなのだが ・ ・ ・ むー、イマイチ。
 最前列左寄り、ということでソプラノが非常に近く、
おそらく数メートル後ろだったら聞こえないだろうな、という
「響きの無い声」がマトモに聞こえてしまう。
 そして何より「曲に飽きてるんじゃないの?」という表情と音楽。

 毎回、公演日程を見て
 「ハードだなあ〜」とタメ息をついてしまうプロムジカ日本公演。
 今年も7月2日の広島から始まって島根、山口、埼玉、栃木、宮城、青森、
山形、神奈川、千葉、岐阜、そして大阪、と
25日最終、東京公演までの23日間で全19回の公演。
 この日は来日して17回目の公演である。
 毎回、豊富なレパートリーから曲目を変えて演奏をしているのだろうが、
やはり疲労は相当なものだろうし
楽曲に対し新鮮な感動を保つのは至難の業だろう。

 ううむ困った、と思いつつも何曲か聴いていると
立ち位置を変えてソプラノが中央に。
 「おっ!」 ソプラノの位置が変わっただけではなく
声が “ノッて” きたのだろうか、音楽がとてもイキイキと。
 そうなると割合無表情に見えたメンバーの顔も、
表情の底に音楽への関心を湛えたものに思える。勝手なものですね。

 そして4曲目か5曲目に“あの”ホルストの「アヴェ・マリア」を。
 へえー。こんなメインにふさわしい曲、序盤に持ってきていいもんかね、と。
 ステージ上に1列。そしていずみホールの壁に沿って
ホールいっぱいに広がるプロムジカ。
 指揮のサボー氏は客席の中央で振ります。

 演奏はやはり・・・絶品。
 フレーズの安定感と響きの広がりはさすが!です。
 ホールに大きく配置された事もあって、
目の前で聴こえていたフレーズが突然後ろに現れる!
…のような立体的な響きへの感動も加え、
 「やはり来て良かった…」と思わせる1曲。

 他にはオルバーンの「パンジェ・リンガ」などの
軽やかにリズムを歌う曲が印象深く。
 同じくオルバーンの「夜啼きうぐいす(ナイチンゲール)」
速いテンポでのリズム、エコーのような効果…と
これからコンクールで間奏曲的に大いに流行る曲じゃないか、
などとも思いました。

 曲紹介はメンバーによる日本語だったのだけど。
 …今回はちゃんと日本人のレッスンを受けたのだろうか(笑)。
 「うー、誰の、なんつー作品か、正直ワカラン!」
 てなことは全くなく、ほとんど理解できました。
 これなら3年前、
 「所沢での曲名分からないおばさん」も納得したんじゃないかなあ。




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