演奏会感想の部屋

 

 
<全国大会あれこれ その2>
 


 「その2」は「講評・審査結果発表・表彰」関連で。
 ネタがいっぱいあるのでどんどん行きますよー。

      
 ●藤井宏樹先生の講評 “ね”


 
言葉の感覚、ということを話した後で

 「子供が
  『友達の家へ勉強しに行ってくるから“ね”』
  …と言ったら母親は、その“ね”で

  『ああ、このコは勉強しに行くとか言って
   ホントはゲーセンに行くんだわ!』
  と見破ってしまう(笑)。

  “ね”に込められた意味、
  意味を解釈すること、
  “ね”にこそ音楽がある。

  そんな言葉に音楽が付けられているということを
  忘れないで欲しい」 
  


 ●松下耕先生の?講評 その1

 「これは私(松下先生)が言ったんじゃなく、
  (並んで座っている審査員を示し)
  この中の誰かが言ったんですけどね。

  『いやあテンションが高い演奏ばかりだったねえ。
   でもテンションが10倍になると困ったことになるよ。

   ・・・ヒャクション。(← くしゃみする松下先生)

  (会場、微妙な笑い)

  で、1000倍になると高くつくらしいですよ。

  ・・・マンション

   (…さらに会場微妙な笑い)

  某 I 辺センセイ、結果発表前の緊張感を
じゅ〜ぶん脱力させてくださって感謝です〜。

        ※   ※   ※

 ●松下耕先生の講評 その2

 (一般の部Bグループに言及して)

 「これはねえ・・・人殺しの部!
 
審査員殺しの部!!

  ボクの場合、8団体が同点でした。
  でも、そうはいかないから0.1、0.1…と
  点数を変えて順位を付けていったんだけどね」

  確かに一般Bは金賞と銅賞に差が無い、とは言わないまでも
金賞内での差、そして金賞と銀賞の境い目、は
そんなにハッキリしたものではなかったような気がします。

 よく喩えられますが
 美味しいカレーと美味しいラーメンと美味しい蕎麦etc…を並べて

  『イチバン美味しいのは、どれ?』

 …と訊かれるようなもので。
 そんな中でシードを目指す、とか
銀賞だからダメな演奏、と言うのは
あまり意味が無いような気がするのですがどうでしょうー。
 続けて松下先生。

 「全団体が自由曲は現代曲だったので、
  これはもうルネッサンス、ロマン派、そして現代、と
  全部歌ってもらって評価しなければならないんじゃないか。
  ・・・でもそうなると時間がかかりすぎてしまい難しい!」

 そうですね、やっぱり統一基準、みたいなものがないと
評価は難しいですよねえ〜。

  

 ●誰か教えてやれ〜

 大学の部、結果発表!
 「ゴールド、金賞!」

 「きゃーッ!!」

 全国大会初出場の新潟大学合唱団、おめでとう!

 「続けて、シード団体の発表です。
  …8番、新潟大学合唱団!」

 「きゃーあ?」  …ざわざわ…

 「なんだ、あの微妙な歓声は?」
 「…わかった!
  初出場だから『シード』の意味がわかんないんだよきっと!」
 「お〜、初々しい! 誰か教えてやれ〜〜」

 ちなみに新潟大学合唱団は2日目の発表で
カワイ賞も受賞したことが判明。

 ・・・誰か、「カワイ賞」の意味も教えてやってください(笑)。
 おめでとう!



 ●歌の力

 スウェーデンから審査員として来日した、
指揮者のシシーリア・リューディンゲル・アリーン女史。

 感想を述べた後、通訳の松下先生が
 「昨日の審査発表の後の食事会で
  歌ってもらったスウェーデン民謡が素晴らしかったんです!」

 そこで会場の拍手!
 もう一度シシーリア女史に歌ってもらうことに。
 静まる客席。
 ステージ中央で歌いはじめるシシーリア女史。

 哀愁を帯びたその旋律は、
言葉なんてひとつも分からないけれど、
不思議になつかしさと、胸の奥に囁きかけるような、
そんな力がある歌でした。

 …歌い終わった後、会場はため息、そして熱い拍手!

 後に「・・・あれなんだよねえ」
 「そうだよねえ、歌の力ってああいうものだよねえ…」と
一緒に聴いていた人と言葉を交わしたのでした。



 ●「史上かつてない2次会」

 この、名称「史上かつてない2次会」
MODOKI指揮者:山本さんが企画したもの。
 「コンクールは競うものだけど、
  終わった後はノーサイドとして
  合唱団の垣根を越えて交流を深めようじゃないか!」、と。

 受付で名前と合唱団名が印刷されたシールをもらい
胸に貼り、(…私の場合「文豪の部屋」って。うーん)
200人入るという、
ひっろ〜い座敷の宴会場へ足を踏み入れた時の感想は正直

 「大丈夫なのか、この宴会・・・」というものでした。

 しかしそんな心配は全く杞憂で。
 一般Bの団体を中心に集まった十数団体のさまざまな合唱人。
 合計:174名!

 今井邦男先生や審査員の大志万先生、理事の方々も含め、
北は北海道、南は九州まで、
各地の合唱団の方々が楽しく歓談する姿は
とても、とても良いものでした。

 その中でも特に宴会後半、
指揮者の号令で始まるのではなく
会場の片隅で自然発生的に小さく歌われる
「大地讃頌」「夜のうた」「夢みたものは」「鴎」等々…が
広い会場全体へ徐々に、染み渡るように歌われ、
やがて大合唱になる光景は。
 …かつてないほど美しいものでした。

 さて、
 「35年間コンクールに出ているけど、
  こんなの初めてだよ〜」との声が聞かれた
この「史上かつてない2次会」。
 多くの人の心を動かしたようで。

 東京の合唱連盟理事の方からは
 「私が責任をもって実現に向かいます!」

 …との力強い言葉が。
 し、信じていいんですかね?!
 (後に「ハーモニー」誌にもバッチリ書かれていましたね〜)

 
 企画された山本さん、実行の先頭に立った
“宴会部長”の上野さん、そしてこの大宴会を支えた
MODOKIのみなさんに、あの2次会に参加したものの一人として
心からお礼を申し上げます。

 ありがとうございました! 



 ●来年は・・・

 2007年の全国大会は東京で開かれるということで
東京都合唱連盟・片野秀俊理事長が来年のご挨拶。

 「名物と言っても、東京という所は・・・
  広すぎるし、食べ物は何でもあるったらありますねェ。
  …狙いを絞って、ぜひ東京に来てください!」

 2007年は第60回という全国大会。
 会場は「上野駅から歩いて15秒で目の前」の
東京文化会館大ホールにて
2007年11月10日(土)、11日(日)に行われるそうです。

 ちょっと開催時期が早くなりましたね〜。
 個人的には東京名物、
「雷おこしと電気ブラン」の組み合わせをオススメ…しません。

 熊本の合唱連盟のみなさま、
そして出場されたみなさん、審査員の方々、
ご苦労様でした! そしてありがとうございました!

 また来年、みなさま今度は東京でお会いしましょう!!




         (全国大会あれこれ:熊本編 おしまいっ!)




●「演奏会感想 目次」に戻る

*このページを無断で使用、転載することをお断りします。