演奏会感想の部屋

 

 
          「MIWO団員むねさんによる掲示板への書き込み」


 文吾さん いつもながらの流麗なご感想ありがとうございます。

 世の中はもうすっかり「アテネ」ですね。
 8/1はもう遠い過去のことかと思っていたら、こうして感想をupしてくださり、
自分たちにとっても、あの日の感動をもう一度呼び起こす、
そんな機会になって本当にうれしいです。

 「合唱団MIWO 東京公演」は、個人的には非常に勉強になる公演でした。
 そもそも、なぜ東京でやることになったのか・・・ 「やりたかったから」

 あまり、理由を後付けすることは好みません。
 その意義等は、当然、団長の深慮がありました。
 ただ、基本的にはその時々に、自分たちにできること、
自分たちがやりたいことを純粋に追求する、それだけのような気がします。

 もちろん、大谷先生や岩本先生の地元、
また、最近、東海地方以外ではほとんど演奏をしていない、ことなどを併せ考えると、
「東京公演」はどうしてもやりたかった演奏会であったことは間違いないですが。

 実際に、東京でやってみて、正直、お金もかかるし、
これっきりだなと個人的には思っていたけど、
お客様のあたたかさ(音楽を希求する気配?)、
ホールスタッフのまさしくプロという応対、第一生命ホールの音質等・・・、
今は、個人的には「MIWO in Tokyo Vol.2」をと燃えてたりしてます。


 そうそう、文吾さんの感想にもありましたが、
この第一生命ホールの響きというのは、
また、サラマンカとはちがって「陰翳礼賛」的な(意味不明?)ところがありますね。
 文吾さんは「枯れた」と表現していらっしゃいましたが、
ステージからの視点に立つと、
サラマンカよりも、ステージと客席の視線の高さが近いのです。
 サラマンカでは、どちらかというと見下ろす
(客席後方に対しては「見上げる」)印象が強く、
客席に対して空気の層を感じるのですが、第一は違いました。
 どちらというと名古屋しらかわに近い印象です。
 ただ、これはまた、しらかわとは違うのですが、
ステージ上での歌いやすさ
(低音系よりはむしろ中声、そして高音系に言えることですが)は抜群で、
自分のパートや他のパートの声がよく聞こえ、自分の声もよく聞こえるのです。
(サラマンカは実はテナーにとっては歌いにくいのですよ)
 なので、今回はステージいっぱいに広がって演奏をしました。
 これは、本番前のリハでの出来事ですが、
当初、ドッペル以外はいつものように、団員が密着して演奏をしていた。
 ところが、客席での印象があまり良くない。なんだか、声が飛んでこないのです。
 そのとき、いつもベースがパート内で合わない箇所があって、その練習のために、
大谷先生が、ステージ上でベースのメンバーを横向きにさせて歌わせた。

 「!」

 客席で聞いていた岩本先生がびっくりされたそうです。
 これまで、ベールに包まれた声が、急に客席に塊となってとんできた。
 このホール、客席の側面へ声を当てるように歌うといい響きになるそうです。

 その結果、平台を左右目一杯使い、両端は弧を描いていますので、
そこに立っている団員は、延長線上の客席壁へと歌いかけるわけです。
(中央付近の団員は客席へ歌う。)

 こんな試行錯誤が、前日から当日にかけてありました。

 そこらへんが、今回プーランクをはじめとして、
いままでのMIWOとは違った音の印象になったのかもしれませんね。


 最後に、
 リリケ・アモローゼ
 今回、再度全曲を、それも、鈴木先生のいらっしゃる場で、しかも東京で、
演奏できたことはMIWOにとって幸運でした。
 MIWOのこれまでの演奏曲目のなかで、結局は、
ステージで一番多く歌った曲になりました。
 今回は、今までできなかったことも含めて、
MIWOとしての最高のアプローチを目指したように思っています。
 それが、聞く人にとってどのような演奏であったかは別でしょうが。
 ただ、自分たちとしては、
単に難しい曲を技術的な訓練で歌い上げることが目標ではなく、
この曲、この詞に込められた意味を、
この曲を全く知らない人にも感じ取っていただけるような演奏を心がけました。
 さらに、直情的にはならず(時にはなり)、
演奏中も演奏する自分たちを
どこか他所で見つめているような演奏をしたいと考えていました。
 それが、今回、どんな形で、客席に伝わったのかは本当に興味のあるところですね。


 次回、名古屋ではどんなMIWOになるのか自分ながら楽しみです。
 東京公演とはまたひと味違う、多国籍ステージ?にご期待ください。


 そういえば今回の演奏会で 最も大変だったのが チケットの販売&管理でした。
 東京での演奏会ということで、団員につてはないし、
全席ぴ○に委託しても売れっこないし?
 ただ、第一生命は、当然のことながら、客席数オーバーについては厳しく、
かつて、10回記念のときに 350席しかないホールに700人近くが押し寄せ、
立ち見やら 地べたやら むりやり 600人はいれたけど 後の方にはお帰りいただいた。
 そんな経験もあったことから、今回は、演奏と同じように注力しました。
 しかし、在京の団員や東京にネットワークを持つ団員の
本当に骨身を削るような努力の結果、予定していたチケットは完売。
 また、招待券も出していたため、急遽、招待券での入場可能者数を減らしたりで、
当日は、正直なところ客席オーバーになるのではと心配していました。
 直前になって、お帰りいただくことになった方々への詫び状も用意したのです。
 結果、満員とはならず、前方に若干の空席を見たわけですが、しかし、これが
今回のでき得る限りの努力の結果であったことをご理解いただきたいと思います。
 直前に席がないからと、電話での問い合わせでお断りした方々、
当日、会場にまでいらしてお帰りいた方々・・・
 結果論でいえば、ご入場いただけたわけですが、
やはり、事前の状況把握と当日の対応には限界があります。

 次回からは指定席でやったほうがいいのかなあ。
 このあたり、東京でのチケット管理については、
個人的にいろいろ教えてほしいですね。




                (以上、2004年8月16日掲示板へのMIWO団員むねさんの書き込みでした。
                    本ページへ掲載するにあたって、若干の編集を加えさせて頂きました)




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