早稲田大学混声合唱団:団員さんの声 その5

 
 
●選挙・サブリさんの育成について

 文吾  選挙についてなんだけど。
      候補者への質問は書面で前もってするのが
      時間を短縮する意味で良いな、と感心したね。

      技系の選挙では歌うんだって?

 ケイコ 前の技術員から課題曲を出してもらって
      (昨年はドイツ・レクイエム第3楽章のフーガ)
      その曲と日本語、ルネサンス(またはロマン派)から
      1曲ずつの自由曲を
      各パートリーダー候補4人で歌うんです。
      指揮は学指揮候補が振って。

 文吾  なるほど。
      そのパートリーダー候補は事前に
      学年での信任投票をしておくんだよね?

 ケイコ はい、そうやって各パートひとりに絞ります。

 文吾  パートリーダーはそうやって決まる、と。

      あと「特練」も「AD」も、
      数多くいるサブリさんの存在が不可欠!
      …という気がするんだけど。

      指導した経験が無い人にはかなり大変なことだよね。
      
 ケイコ そうですね〜。
      サブリさんはパトリからの任命なんですが。
      サブリ候補者の人が
      「やる気」そして「時間的余裕」があるか。
      さらに受け手側の声の
      発声上・表現上の問題点がわかるか、
      ということが重要になりますね。

 文吾  なるほど。重要だね。
      昨年度の早混ソプラノの
      サブ・パートリーダーは2年生から4年生まで
      14人もいるけど、その数はどうやって決めるの? 

 ケイコ はい。その数を決めるのが難しくて…。
      サブリさんが多いと、コマ数的には他の団員さんに
      特練が回りやすくなるけど、
      パトリがSADを見るのが大変になってしまって、  
      サブリさん以外の団員を
      パトリが見られなくなってしまうんですよ。

      …サブリさんが少ないと団員に
      特練が回りづらくなるけど
      その分、パトリはサブリさん、他の団員を
       しっかり見ることができるし・・・。

 文吾  ふぅむ・・・。兼ね合いが難しいよね。

 ケイコ はい。各サブリさんがどれだけ
      空きコマの余裕があるか、ということも考えて
      サブリさんの人数を決めたりします。

      もちろんサブリさんの選出にあたっては
      技術的な面も重視しますけど、
      パートの人数によって運営事情も
      変わってくるので・・・。葛藤です(笑)。

 文吾  鍵盤もある程度、弾けなきゃいけないし。

 ケイコ はい。それは、もう、
      個人の努力にお願いする、というか…。

 文吾  鍵盤を弾けずに、
      特練なりADをしてしまうサブリさんはいるのかな?

 ケイコ いや、それは・・・。
      早混人の半分は自分のキーボードを持っているので
      自宅で練習してきますし。
      発声の時の音階の主音だけは順に弾けるように、と
      言っておきますので。

      みんな、責任感を持ってやってくれているので
      鍵盤がまったく弾けないのに練習をしないで
      特練なり、ADにのぞむ、ということは
      多分、あんまりないと思います。

 文吾  スゴイな・・・。
      その「責任感」というのは、どこから出るんだろう…。

 ケイコ やっぱり、その「責任感」のおおもとになる「やる気」が
      一番重要、というか・・・。

      最初は実力がともなわなくても、やる気があれば
      実力は伸びていくと思うんですよ。

 文吾  そうか〜。・・・そうだねえ。

      サブリを育てるためにパトリが気をつけている、
      ということは何かある?

 ケイコ ワタシの場合ですけど
      通常複数で見るSADを1対1でして。
      発声から丁寧に見たり、時には落として、
      そのサブリが自分の満足のいくように
      歌えるようになるまで指導したり・・・。

 文吾  はぁ〜〜〜。

 ケイコ もちろん、その後の励ましたりする
      精神的なケアも大事だと思いますけど…。

      あとは、学指揮の召集によって、
      合宿や本番前などの節目ごとに行われる
      サブリと技系で構成される「技術委員会」で、
      ADの基準や、音楽の方向性の確認、
      先生練の指示の確認などを議題に話し合って、
      技系とサブリとのコンタクトを密に、頻繁にとりますし、
      必要に応じてS練なども行ったりします。

 文吾  S練?

 ケイコ あ。サブリ練のことです。
      学指揮がサブリ全員を召集して、
      アンサンブル形式でやる場合もあるし、
      あるいはパトリが、自分のパートのサブリを集めて、
      サブリのコマを合わせて、SADの複数特練版、
      といった感じで行う場合もあります。

      あとは、パート練中に、
      「じゃあサブリさんだけで歌ってみてください」などと
      「お手本となるよう」に示して
      けしかけるのも有効かな、と(笑)。

 文吾  目標の確認と、技術の養成、
      そして自覚への促し、ってとこかな?

 ケイコ そうですね。
      「自分たちが団の音楽性を動かしているんだ」
      とサブリが自覚し、責任感を感じることで、
      ADや特練がより活性化されることもありますし。 


技術委員会の構成

技術委員

 

技系(=技術系役員)

 

 

 

学生指揮者
1名・3年

パートリーダー
4名(各パート1名)・3年

サブパートリーダー
2〜4年
パートの人数の
1/2〜1/3程度

それ以外の団員

 

 

 

 

 

 


                                     (その6へ続く)


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